秋のテーブルセッティング

秋のテーブルセッティングをする時に考えていること。
「外の空気を感じられるものにしたい」
これは秋特有の感覚な気がします。春は気持ちが外に向きます。リニューアルを感じさせる季節で、室内もすっきりさせたい。夏になれば考えるのは過酷な外の暑さから逃れることばかり。テーブルの上も、外気温とは真逆の「冷たさ」がテーマ。一方、寒さで体が縮こまるような冬の最中のテーブルは、これもまた外とは正反対の、暖かさの演出をしたい。
でも秋に限っては、外の感覚をテーブルに映し出したい、とセッティングを考えるたびに思うのです。


移り変わる木の葉の色や、さくさくザクザクと落ち葉を踏み歩く音。空の低いところから降り注ぐ日差しの黄金色までをも感じられるように。

徐々に足りなくなってくる光が視界に入るもののコントラストを下げてくれる季節だから、色の組み合わせも自然と優しいグラデーションになります。

押し葉
落ち葉をベーキングペーパーに挟み、家中の重い本を何冊か重ねて1週間ほど置くと、押し花ならぬ押し葉の出来上がり。テーブルに散らすことを考えて、降ってきた(木から落ちてきた)ばかりの葉っぱを拾うのが秋の散歩中の習慣です。

季節の野菜と果物
青果売場で見かけるりんごとさつまいもの種類が増え、小粒みかんも並び始めたら、秋本番を実感します。
季節の野菜や果物は、調理をしなくてもキッチンやテーブルで季節を演出してくれる存在。
かごや器に、デッサン用の題材を並べる画家になった気分で盛り付けます。

食べる楽しみが待っているのが、置き物と違うところ。

果物なら、デザートの時間に皮を剥いて出したり、切り分けたり。食べ始めるまでは飾っておき、メインの食事をしている間に軽くマリネしておいて、デザートとして出すことも。

その日限りのテーブル飾り、ちゃんと食べてなくなる季節のデコレーション。

菊
種類豊富な菊の花。白のスプレー咲きなら秋の野原にいるかのような可憐さ。

深い色ならシックなテーブルに。私の作るお菓子はシンプルで小さめなので、テーブルのお花も同じような雰囲気のものを選んでいます。

クロス代わりにコットンの手編み風レース。素材に厚みが加わると、秋の優しい空気感そのものになる気がします。凸凹している布は、食事をするテーブルには不向きですが、デザートを並べたビュッフェ風テーブルならぴったり。



湯気や炎は一年中、ご馳走の一部です。秋はより一層、似合いますね。
私のテーブルにはゴージャスさはないけれど、家庭の「毎日がちょっとしたきっかけでお祝いに」を表現できていたら嬉しい。


野ぶどうとざくろ。自然はアートだと強く実感する植物。


身近な自然も大いなる先生。観察して感じることをやめなければ、暮らしのシーンを豊かにしてくれるアイディアは無限です。
photos (一部を除く)by Chie Uno
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